なんて間違いを!

誰しも「思いもしなかった失敗」をしてしまうことってありますね。ミスが人命に直結する、鉄道や飛行機の運行にはATMなどの自動制御が用いられ、自動車も試行が続けられブレーキなどの一部機能は実車に搭載もされています。
どうしようでは、団体や企業ではどうでしょうか? 代表例は会計監査です。通常は会計士・税理士さんが行います。今では、これに加えて2001年エンロン事件をきっかけとして出来た米SOX法と、これを受けた2005年の会社法(通称:J−SOX法)により、内部監査も大企業とその関連会社に義務付けられました。残念ながら、ご承知の通りその後もいくつかの虚偽決算が話題を集めています。
話を本筋に戻すと、多くの小規模団体では会計などのバック業務は他の業務を兼務しながら「一人の担当者」が何でも担当されているのが実態かと思われます。中には、会計監査すら専門家にお願いすることも出来ず、お知り合いの方にお願いして済まされているようなケースもあるかと思います。でも、そんな団体でのミスは「やむを得ない」と許して頂けるのでしょうか?
例えば、税務上の重大なミス(結果としての不正会計や滞納等)、個人情報の大量漏洩(Webやメール等)、助成金報告書の重大なミス等は、団体にとって存続に関わる致命的なミスになりかねません。そこまで行かなくても、認定NPO法人等では領収書の誤発行は、寄付者の信頼を一気に失墜させてしまいます。後になって「なんて間違いを!」と言ってもどうにもなりません。
手順化文書こうした間違いを無くすための工夫は、様々な出版物や今ではWebで色々と情報があるので、興味をお持ちのキーワードを元にそれらを参照下さい。私自身は、IT屋の観点でシステムを構築する時に「業務を可視化し、その上での文書化と教育」を心掛けています。
人の間違いを「プロセスで防ぐ」方法は、企業では「手順書・チェックリスト」を作り、意識せずとも視点を変えたチェックができるようにされています。また、普段から品質管理活動などで、万一にミスが出た場合は出来るだけ速やかにに、これらを定期的に見直して改善するルールも出来ています。また、システム化やその改善を行う場合、そうした文書から追って行くことで改善効果の予測を可能とすることもあります。
無論、行き過ぎた文書化は組織を硬直させ業務コストを増大させるだけですが、ポイントとなる業務の文書化とその定期的な見直しはとても大事だと思います。そして、2人以上の構成員がいる団体ではその教育とフォローも大事です。それを勉強会とするか否かは状況にもよりますが、後に「守られているか」を何らかの方法でチェックすることも重要です。構成員みんなが「腹に落ち」自然に動けるようでないと「プロセスが地についた」と言えないと考えています。