私が「次工程はお客様」という言葉を知ったのは、就職してずいぶんたった頃。職場の品質管理(QC)活動の勉強で、PDCAと一緒に覚えました。この言葉の発祥地であるトヨタでは「前工程は神様、後工程はお客様」と言い、自分たちではできないけれど、モノづくりの前工程をやって頂ける協力会社や工員さん達は「神様」であり、自分たちの仕事を引き受けてくれる後工程の人たちは全員「お客様」だと思って接しよう。というサスガとしか言いいようがない素晴らしい考え方です。
この考え方は、モノ作りだけでなく会計や人事といったバックグラウンド業務でもソフトウェア開発でも同じだと思います。その際に何より大事なことは、この「前工程・次工程の実態を体験」して自分の工程を評価・改善していくことだと考えています。例えばNPOの場合「寄付金を頂き処理する」工程を担当しているなら、寄付して頂いた方のお気持ちをどう察して接するか、頂いたお金をどう処理(領収書発行、帳簿記帳、システム登録)すると、その結果はどう使われていくか等々を考えて、よりお役に立つ情報を提供するのか、より短時間のレスポンスで効果を高めるのか、頂いた寄付で出来た成果をより詳しくお伝えすること等々が考えられます。
「前工程は神様、後工程はお客様」そして自工程は無駄なく・品質高くを目指す。そのために、前工程・後工程をみつめて自工程で小さな改善を繰り返し、結果として団体の印象・信用を高めて行ければいいですね。